2011年12月14日水曜日

高齢者向けユーザインターフェイスについて


今回は2回投稿します。
まず最初は高齢者向けユーザインターフェイスについてです。

私は高齢者が使うことを想定したアプリケーションを作成したことがあります。(実際にも使用)
作成の際に最も苦戦したのがこのユーザーインターフェイスです。正直プログラムより時間がかかりました。
何が大変かってまず彼らはITリテラシーが驚くほど低いということです。ほとんどの方はマウスを使えませんし、タッチパネルにしても、画面に表示されているボタンをボタンとまず認識できません。言われて初めて押すものなんだなと認識します。特にステータスバーやツールバー、メニューバーはほとんどの方が理解できません。というよりそういったものがバァーと並んでいると理解をあきらめてしまいます。

私「ここで右クリックですよ。」
高齢「はぁ?わからん。お前さんやってくれんか?」

こんな感じになります。つきっきりでできるのならこれでも構いません。しかし、現実はそんなことできません。各自でやっていただかなくてなりません。

ではどうすればよいか?彼らのレベルに合わせるしかないのです。

彼らに合わせるためには

①ボタンは大きく。文字も大きく。
②一画面に載せる情報とGUI部品は少なくする。
③色数を少なくする。
④派手な若者向けの色使い、視覚効果は避ける。
⑤GUI部品の場所を可能な限り統一する。
⑥コンピュータ用語を使わない。(例:フォルダ場所)
⑦機能をこれでもかというぐらい限定する。
⑧やさしい音を使う

が必要でした。

①は説明不要ですね。やらなければ誰かが付きっきりになります。②はあれもこれもと1画面に記述するとITリテラシーのあるものにとって作業効率はあがるでしょうが、ないものにとってはいい迷惑。ほとんどの方が理解をあきらめてしまうでしょう。③は不思議ですが、彼らは色も情報と捕らえるよう。何色も目に入ると複雑なものと認識してしまう。④は注意しないと、自分たちが使うものではないという印象をあたえてしまう。⑤は画面遷移ごとにコントロールの位置やデザインの変更を行っているとこれも複雑な印象を与えてしまう。1画面覚えれば最後の画面まで使えるようにするのがベストでしょう。
⑥は普段何気なく使っている○○フォルダといった名称も混乱を与えるため使わないほうがいい。いちいち聞かれます。⑦は自分が今何をやろうとしているのか混乱させないために必要。⑧は何故か鋭い音だと驚く。

これらのことを踏まえて作るとなんとなく使ってもらえるようになりました。まぁそれでも全員が使えるとまではいきませんが...まぁ半数ぐらいが使えているのでいいほうでしょう。

以上、勉強になったのでメモ。